日産リーフ実は100万円安く購入できる

世界初の量産型電気自動車日産リーフ。最近よくCMで見かけるようになりました。しかし、日産リーフには様々な裏が隠されています。(この記事は旧型リーフについて書かれたものです。

日本版日産リーフはアメリカ版と比べ15695ドル(125万円)高い

2010年、日産が日本で販売した日産リーフ、実は同じ2010年にアメリカでもリーフを販売しています。

問題となったのはリーフの価格。日本版とアメリカ版ではほぼ同じ性能にもかかわらず、(販売当時のレート1ドル=77円、)日本では376万円(48,475ドル)ですが、アメリカでは251万円(32,780ドル)で購入できます。

プラグインハイブリッドや電気自動車の競争が激しいアメリカでは価格を低く抑える一方、競争が穏やかな日本では高い価格で電気自動車を販売しています。

補助金と政治資金

電気自動車に多額の補助金が支給されているのに疑問を持つ方も多いと思います。リーフの場合、本体価格376万円に対して補助金は77万円。つまり、補助金率は77/376=約20%です。補助金が多く出る理由は政治資金が絡んでいます。

自動車会社が自民党や民主党に政治献金をする一方、政府は補助金という形で恩返しをします。(補助金と政治資金の関係の詳細はなぜ太陽光は風力より優遇されるのかへ)

電気自走車といえば日産リーフと思わせる

毎週土曜日、新聞と一緒に自動車メーカーの宣伝のチラシがたくさん入っています。その中の日産のチラシを見ると、毎回リーフの宣伝が載っています。

また、私の父は日産車を買ったため、日産自動車からパンフレットがよく届くのですが、リーフだけのパンフレットが届きました。私が覚えている限り、1車種だけの宣伝パンフレットは初めてでした。(私の父はリーフの見積りなどしていないのに。)

なぜ、リーフは宣伝が多いのでしょうか?

リーフの宣伝が多い理由は「利益率が高い」「イメージ戦略」のためです。

利益率が高い

アメリカ版リーフと比べ、日本版リーフは100万円以上価格が高いので、自動車1台あたりの利益が大きいのです。宣伝費が多くかかっても、十分元が取れます。

イメージ戦略

「ハイブリットといえば、トヨタ」「軽自動車といえばスズキ」・・・など各自動車メーカーのイメージがあります。

同様に、「電気自動車といえば日産」というイメージを一般市民に植え付け、日産の代名詞を作ります。今後、電気自動車の競争になった時、日産が生き残るためです。

現在、電気自動車を販売している自動車メーカーは少なく、独占状態の今だからこそ、日産は電気自動車の「価格」を支配し、知名度を上げるときです。

日産の非公式データ:充電に16時間、走行距離は理論値の半分

電気自動車の利点は加速性能がよく、静かに走ることができます。まさに、高級車のように。

しかし、電気自動車は欠点は走行距離です。リーフの走行距離は理論値で228km(アメリカの検査方法では160km)で、充電するにも200V電源で8時間。家庭用の100V電源で16時間かかります。(日産は100Vでの充電時間は非公表です。)

実際には200kmも走れません。まず、(航続距離が200キロと公表していた頃、)自動車雑誌日経Automotive Technologyによると社内でヒーターをつけ、市内で普通に走行すると走行距離は90kmだったそうです。

(ヒーターを付けずに時速30km程度でエコ運転すると走行距離は180km。)

朝日新聞で掲載されていた三菱自動車i-MiEVの所有者の話では、冬に走行するとカタログ値の4割程度の走行距離になるそうです。リチウムイオン電池は低温に弱いため、寒いところでは能力が落ちます。

結論:リーフは商業目的で利用する

現在の電気自動車は航続距離が少ないため、しばらくは商業目的で利用されるでしょう。

追加1:40万円引きの廉価版登場

日経新聞によれば、

日産自動車は20日、電気自動車(EV)「リーフ」を一部改良し発売したと発表した。機能や装備を絞り、従来価格から約40万円引き下げた廉価版「Sグレード」を加えた。航続距離は駆動系部品の一新や軽量化で14%増の228キロメートルに延ばした。志賀俊之最高執行責任者(COO)をトップとする販売拡大の専門チームも立ち上げ、EV普及に向けアクセルを踏む。

Sグレードの価格は334万9500円。カーナビゲーションシステムや省電力暖房システムなどを外し価格を下げた。国の補助金を最大78万円活用すると実勢価格は256万9500円になる。さらに一部オプション装備を外すと249万6000円と購入時に消費者のひとつの区切りとなる250万円を下回る。

ホンダが高性能のリチウムイオン電池を搭載する電気自動車「フィットEV」を日本で販売することを決めたため、値下げをしたと思われます。

フィットEV

今後、フィットEVはまだ法人向けリース販売のため、日産リーフと争うことはありません。ただ、フィットEVがリースから一般販売に切り替わると、価格競争・航続距離競争が加速するでしょう。

追加2:さらに約28万円引き

Goo-netによると、

日産自動車は4月に、電気自動車「リーフ」の国内価格を約28万円引き下げると発表した。この価格改定に伴う車両の仕様変更はない。

リーフの値下げは各国で実施されており、アメリカでは6000ドル(約48万円)、欧州でも最大で3000ユーロ(約35万円)値下げします。リーフの不振により、日産は販売戦略の変更を余儀なくされました。