パソコンメーカーのアフターサービスランキング

パソコンメーカーの最新のアフターサービスランキングやサポートランキングをもとに各社の戦略を探ります。

エプソンが1位

日経パソコンや日経BP社発行のメールマガジンの読者などに呼びかけ、約2万人から回答を得た結果から、パソコンメーカーの2008~2014年度のアフターサービスがわかります。

2008年~2014年度の7年間、アフターサービスの順位の推移は下のグラフの通りです。
パソコンメーカーのアフターサービスランキング
(上記のグラフはアップルを除いた順位です)

近年はアフターサービスランキングで1~3位をエプソンダイレクト、パナソニック、東芝の3社が独占している形です。

東芝は2008年頃からアフターサービスを重視する戦略に変え、6年連続3位を維持しています。

次のグラフは2014年度のサポート満足度指数です。
パソコンメーカーのサポート満足度ランキング

毎年、満足度指数はエプソンダイレクトが突出して高く、それをパナソニック・東芝・NEC・富士通が追う形となってます。

順位をよく見ると、アフターサービスランキング1位のエプソンダイレクト~6位ソニーまで、パソコン以外にも家電製品を販売しています。

パソコンで評判が悪くなるとブランドイメージまでも傷つくため、1~6位のメーカーはアフターサービスを軽視できません。

一方、マウスコンピューターなど、7位以下のメーカーは日本国内でほ主にパソコンしか販売しておらず、アフターサービスを軽視する分、価格を下げて販売しています。

各パソコンメーカーの特徴を解説します。

エプソン・パナソニック:業界最高のサポート

エプソンダイレクトとパナソニックはアフターサービスが良い分、価格は高いです。

また、パソコン購入後の満足度を高めるために、両社のPCはデサインが地味で故障しにくい作りになっています。一方、高い価格を抑えるため、プリインストールソフトが少ないことが特徴です。

エプソンダイレクトとパナソニックのメリットとデメリットをまとめると次の通りです。

メリット

  1. 故障しにくい
  2. アフターサービスが良い

デメリット

  1. 価格が高い
  2. デザインが地味

故障率の低さやアフターサービスを重視したい、といったビジネス向きのパソコンが欲しい方はエプソンダイレクトとパナソニックがオススメです。

東芝・NEC・富士通:初心者向け

毎年、アフターサービスランキングで東芝は3位、NECと富士通は4位を争っています。

一方で、アフターサービスが良い分、価格も高いです。高い価格を低く見せるために有料のプリインストールソフトをたくさん入れて割安感を演出しており、パソコン初心者の方から人気です。

また、自社開発の独自ソフトなどを多数入れ、他者の製品と差別化しています。

東芝とNECと富士通のメリットとデメリットをまとめると次の通りです。

メリット

  1. アフターサービスが良い
  2. プリインストールソフトが多い

デメリット

  1. 価格が高い

よって、価格が高くてもプリインストールソフトが多いパソコンが欲しい方は、東芝とNECと富士通がオススメです。

ソニー・アップル:デザインと機能を重視

ソニーはアフターサービスランキングで毎年6位のパソコンメーカーです。

一方、アップルはランキング対象外ですが、アフターサービスは悪いです。電話サポートは購入後の90日間しか受け付けていません。サポートを3年に伸ばすプランがありますが、MacBookの場合2万5000円~3万5000円の高い料金がかかります。

ソニー・アップルともに手頃な価格で「デザイン」と「機能性」のある革新的な商品を発売し、成長してきました。しかし、その分、アフターサービスの低下と故障率の上昇をもたらしています。

(購入した当初はデザインに満足しますが、その後、飽きます。よって、購入後の満足度が減るため、アフターサービスを重視するメーカーは、デザインの良い商品を販売しない傾向にあります。)

ソニーとアップルのメリットとデメリットをまとめると次の通りです。

メリット

  1. デザインが良い
  2. 革新的な機能

デメリット

  1. アフターサービスが悪い
  2. 故障しやすい

デザインや機能性を重視したパソコンが欲しい方はソニーとアップルがオススメです。

マウス、HP、デル、アスース、エイサー、レノボ:低価格

マウスコンピューター、HP、デル、エイサー、アスース、レノボはアフターサービスランキングで毎年7位以下です。

これらのパソコンメーカーはアフターサービスが悪く、故障率が高い分、価格を下げて販売しています。よってコストパフォーマンスは優れています。

一方、アフターサービスが悪い会社はパソコンを修理しません。パソコン修理は次の3パターンで処理します。

  1. 「保証の対象外」と言って修理を拒否します。または、修理を依頼すると、リカバリーなどで対処するなど自分で処理するように求めてきます。
  2. 修理に出したパソコンは戻って来ません。代わりに同等の性能を持つパソコンが送られてきます。もちろん新品ではなく中古品です。
  3. 修理期間が長いです。理由は、日本国内に修理工場を持たない、あるいは修理拠点が小さいためであり、修理に数週間かかります。(実際に、私の友人は有名な海外メーカーのパソコンをメーカー修理に出しましたが、3週間くらいかかりました。)
    デルの場合、業界最高の24時間365日のサポートを全面に出していますが、日本のサポートセンターに電話をかけると中国のサポートセンターに直接つながる仕組みになっており、かつては日本語が下手な中国人が電話対応していました。(現在は日本語が改善)

パソコン上級者は何台もパソコンを持っているため、アフターサービスが悪く壊れやすいことを承知で、低価格に魅了されて購入します。そのため、マウスコンピューターやレノボは上級者にも評判です。

メリットとデメリットをまとめると次の通りです。

メリット

  1. 低価格
  2. コストパフォーマンスが良い
  3. 故障しにくい(レノボ・ThinkPadなど)

デメリット

  1. アフターサービスが悪い
  2. 故障しやすい(レノボ・ThinkPad以外)

複数のパソコンを持っており、修理期間が長くても良い方や、価格が安いパソコンがほしい方に向いています。

その他:ドスパラ・パソコン工房・オンキヨー

ドスパラやパソコン工房はパソコンをたくさん所有している上級者が主に使用しているパソコンメーカーです。そのため、価格が安くてコストパフォーマンスが良い一方で、アフターサービスは悪いです。

オンキヨーは2009年のアフターサービスランキングでワースト2位を記録しており、サポートは悪いです。