日銀がETFを買うことで外資系ファンドは大儲け

日銀が買っているETFは外資系ファンドから買ったものであり、日銀の金融政策は外資系ファンドが儲かるだけで、日本の金融機関や企業、国民にはお金が流れない仕組みなっています。

日銀がETFを買っても企業にお金は流れない

本来、金融緩和とは世の中にお金がたくさん流れて、個人や企業が使える資金が増えることです。

しかしETFの場合、すべての上場企業の株式が買われる訳ではなく、特定の銘柄を組み合わせているだけです。しかも下の動画で苫米地英人氏が詳しく解説していますが、ETFの売り手は既に特定銘柄をもっている外資系ファンドであり、日銀がETFを買えばお金は外資系ファンドに行くのです。

つまり日銀がお金を刷ってETFを毎年6兆円買っても、お金が外資系ファンドに行くだけで、日本企業にお金が行く訳ではありません。

マイナス金利により外資系ファンドは日本国債で儲けやすくなった

日銀の金融緩和以降、日本の金融機関が日本国債の保有額を減らしていきました。さらに日銀がマイナス金利政策を開始して以降、長期国債の利回りがマイナスとなったため、日本の金融機関は国債を買うと必ず損をする仕組みになりました。

一方、外国人投資家は日本国債の保有額を増やしています。
外国人投資家の国債保有残高の推移
(出典:日本経済新聞「外国人投資家の国債保有、初の100兆円突破 9月末時点」

毎日新聞『マイナス金利なのに「日本国債が超人気」の不思議』で詳しく紹介されていますが、外国人が日本国債を買う理由は、マイナス金利の国債を買っても利益が出るからです。

アメリカの金利が上昇しているため世界中のお金がアメリカに流れ、ドルが不足します。そこで、「スワップ」と呼ばれる金融取引でドルを調達する際の適用金利が上がっているのです。

例えば外資系ファンドが利回りマイナス0.1パーセントの日本国債を購入しても、スワップにより0.9パーセントが上乗せとなるため、日本国債の利回りは0.8パーセントのプラスとなります。

つまり、ETFにしろ、マイナス金利にしろ、日銀の金融政策は外資系ファンドが儲かるだけで、日本の金融機関や企業、国民にはお金が流れない仕組みなっています。