チケットの独占販売が合法で、転売が規制されたり違法になる理由

現在のチケットの販売方法は独占禁止法違反ですが、規制されていません。一方、チケットの転売だけが規制され、場合によっては違法になる理由を探ります。

現在のチケット販売方法こそが法律違反

現在のチケットの販売方法は、販売店を限定してそれ以外での販売を禁止し、販売店に対して価格の値下げや値上げを許さない仕組みを取っています。これは完全に独占販売です。

そのため、本来なら現在のチケットの販売方法は独占禁止法違反に該当すると思います。

商売は転売によって成り立っている

正規販売は「善」で、転売は「悪」であるという認識が世の中に浸透しています。

しかし、スーパーやコンビニ、本屋、家電量販店、文房具屋など、世の中の卸売業や小売業は商品を安く買って高く売る「転売」によって商売が成り立っているのです。

つまり転売が違法ならば、世の中の様々な商売ができなくなります。

価格を不当に上げられる不動産は規制されない

チケットを大量に購入して希少性を高め、定価よりも高額に転売することを問題視する声があります。

一方、不動産取引では、周辺地域の物件を買い占めて不動産価格を不当に上げることが可能です。にもかかわらず、個人が大量に不動産を買い占めても規制されません。

不動産に限らず、自動車やゲーム、家電、書籍も、買い占め・転売が可能であり、チケットの転売だけが規制されるのは明らかに不自然です。

チケット業界は大手メディアの大広告主

本来なら、大手メディアがチケットの独占販売を問題視すべきです。

しかし、音楽やスポーツのチケット広告を宣伝している新聞やテレビ、雑誌が、大広告主であるチケット業界を批判できるわけがありません。

チケット業界の権力が高い一方で、転売業者の立場が弱く、チケットの独占販売が合法で、転売が規制されたり違法になる理由は権力の差によるものです。