インチキ霊能力者の見抜き方
私自身は霊能力に肯定的です。一方、実際には霊能力が使えないのに使えるふりをする者がたくさんいます。今回はそんなインチキ霊能力者を見抜く方法を紹介します。
霊とペラペラ会話できるが、警察の捜査には協力しない
インチキ霊能力者は以下の特徴があります。
- どんな霊とでもペラペラ会話できる
- 警察の捜査には協力しない
どんな霊とでもペラペラ会話できる
インチキ霊能力者は指定した人物といつでも会話できます。その対象人物は卑弥呼やベートーベン、ケネディ元大統領といった時代や国籍を問いません。しかも長時間ペラペラ会話できることが特徴です。
警察の捜査には協力しない
にもかかわらず、警察の捜査には一切協力しません。殺された被害者の霊から犯人を聞き出せば世界中の事件を解決でき、また多額の賞金が懸けられた事件もありますが、一切協力しません。
自分では語らず、相手に語らせる
心理学者のロバート・レヴィーン氏の著書「あなたもこうしてダマされる―だましの手口とだまされる心理」では、インチキ霊能力者の質疑応答の方法が紹介されています。
詳細な情報――その男性の実際の身長や名前など――を提供するのはつねに透視者ではなく被術者のほうだ。その典型的な一例が、有名な霊能者ジュイムズ・ヴァン・プラーグの手口である。テレビ番組『四十八時間』でのヴァン・プラーグの透視術を分析して明らかになったのは、六〇分近くのあいだに彼が二六〇もの質問をしていながら、陳述らしい陳述はわずか二回しかしていなかったことだ。被術者が具体的な情報で応答すると、ヴァン・プラーグは、はじめからその答えを知っていたから自分の質問は本当は陳述だったのだ、と言わんばかりにふるまう。たとえばこんなふうに。
ヴアン・プラーグ:ご主人は長いこと入院していましたか、それともすぐ亡くなったのですか?
被術者:ああ、ほとんど時をおかずに亡くなりましたわ。
ヴアン・プラーグ:でしょ、彼はわたしにこう言っていますからね、「苦しまなかったよ。何の痛みにも襲われなかったんだ」。もう一人の有名な霊能者、ピーター・フルコスは、実数をつきつめ、それによって自分の言葉が具体的になってくるかの印象を与えようとする。しかし、彼が語る数字は流動的だ。たとえば、
フルコス:人が四人に見えます。ひょっとすると五人かな。
被術者:いいえ、家放は三人しかいません。
フルコス:いや、四人見える……。
被術者:あっ、兄ですね。兄はずいぶん前から家を離れています。いまは三人だけです。
フルコス‥でも、お兄さんがいます。そう、お兄さんですよ。(出典:ロバート・レヴィーン著「あなたもこうしてダマされる―だましの手口とだまされる心理」)
レヴィーン氏の分析によれば、インチキ霊能力者は自分では語らず、相手に語らせる特徴があります。