「病院で治療を止めると死亡率が下がる」現象が世界中で起こる

ストライキや財政破綻により医療が崩壊した病院では死亡率が下がりました。この死亡率が下がる現象は世界中で、そして日本でも起こっています。

診察数や手術数が減少すると死亡率が下がる

医師のロバート・メンデルソン氏の著書「医者が患者をだますとき」では、医者がストライキを行って診察数や手術数を減らしたところ死亡率が下がった現象が紹介されています。

その一部を引用すると以下の通りです。

  • 1973年にイスラエルで医師のストライキが決行された時には、診察する患者の数を1日あたり6万5000人だったところを7000人に減らした。そしてストは1ヶ月続いた。エルサレム埋葬協会によると、医師のストライキの期間中、人々の死亡率が半減したという。イスラエルでこれほど死亡率が減少したのは、1950年代に医者がストライキをした時以来である。
  • 1976年、コロンビアの首都ボゴタで、医師たちが52日間のストライキを行い、救急医療以外はいっさいの治療を行わなかったところ、ストライキの期間中、死亡率が35%低下したという。コロンビアの国営葬儀協会は「事実は事実である」とコメントした。
  • 同じ1976年、アメリカ合衆国のロサンゼルスでも医者らがストライキを行った。この時は、死亡率が18%低下した。ストライキの期間中、手術の件数は60%減少していた。そして、医師のストライキが終わり、彼らが医療活動を始めると、死亡率がストライキ以前と同じ水準に悪化した。

(出典: Wikipedia「医療」

財政破綻して医療が崩壊した夕張市は死亡率が下がる

夕張市で医師として働いた森田洋之氏が下の動画で紹介していますが、日本でも同様に医療が崩壊すると死亡率が下がっています。

例えば夕張市では財政破綻により医療体制が崩壊し、以下のように変化しました。

  1. CT・MRIを市内から撤去
  2. 医者が減り、救急病院を廃止
  3. 救急車到着時間が38.7分から67.2分へ

一方、医療体制が崩壊した後、日本人の死亡原因の第1位~3位である「ガン」「心疾患」「肺炎」の死亡率が下がり、夕張市民の死亡率も全体的に下がりました。

規制と補助金漬けが医療を崩壊させる

医療という巨大産業では、患者にとって最適な薬や治療が規制される一方で、効果のない、または副作用の強い薬や治療に多額の補助金が出され、死亡率を上昇させる原因を作り出しています。

例えばガン治療の場合、体への負担が大きく患者を苦しめる化学療法に多額の補助金が使われる一方で、体への負担がほとんどなく医療効果の高い「大麻」が、海外では合法化されているにもかかわらず日本では規制されて自由に使えません。

つまり規制と補助金漬けにより一部の業者だけが大儲けする一方で、素晴らしい治療が価格競争に負けたり、規制により参入できない環境を生み出し、市場がゆがんで衰退していくのです。