ニコニコ動画が、ヘイト動画で儲ける仕組みを導入へ

ヘイトスピーチ(人種差別)をしている動画やチャンネルが、ユーチューブから次々に削除されています。そんな中、このタイミングを狙ってか、ニコニコ動画がヘイト動画で儲かる仕組みを導入しました。

ユーチューブから10万本以上のヘイト動画が削除

かつてユーチューブは、ヘイト動画に対する規制は緩かったのですが、ヘイト動画に自社の広告が掲載されることを嫌ったスポンサーが、次々と降板したため、現在では、そのような動画やチャンネルが次々と削除されています。

そんな中、ネット掲示板では、ユーチューブに通報して、ヘイトの動画やチャンネルを潰そうとする動きが活発化し、実際に、10万本以上のヘイト動画と多くのチャンネルが削除されました。

収入手段は投げ銭へ

しかし、収入手段がまだ残っています。それは投げ銭です。

ユーチューブには「スーパーチャット」と呼ばれる、ユーザーが投稿者に直接お金を渡す仕組み、いわゆる「投げ銭」の機能があります。

例えば、BuzzFeed『YouTubeビデオの過激化をあおる「スパチャ」、“投げ銭”が差別主義者の資金源に』によると、白人至上主義者のリチャード・スペンサー氏とマイク・イーノック氏の出演した動画では、投げ銭により、たった2本で合計4,000ドル超の売上がありました。

ニコニコ動画が投げ銭を導入へ

数年前から、ニコニコ動画の公式生放送などで、ニコニコ生放送の有名な配信者が、運営(ドワンゴ)に対して投げ銭システムの導入を要望していましたが、運営側はこれを拒否してきました。

しかし、このタイミングを狙ってか、ニコニコ動画が5月22日に投げ銭を導入すると公表しました。

そもそもドワンゴの業績は常に赤字続きであり、会社を存続させるには、ヘイト動画を支援してでもユーザーを獲得する必要があります。

もともと、ニコニコ動画は「ネトウヨ(ネット右翼)の温床」とも呼ばれ、ネトウヨを相手として儲けてきましたが、今までのノウハウも使えるため、投げ銭を導入するメリットは大きいです。

根本的な問題の解決にはならない

ユーチューブからヘイト動画が完全になくなっても、人権差別が根本的になくなる訳ではないので、ネトウヨは自分たちの受け皿を探していきます。

そこで、ネトウヨが楽しめるサービスが、今後も登場していくでしょう。