ネトウヨが在日を批判する理由を精神科医が分析

精神科医の分析によれば、ネトウヨ(ネット右翼)が在日韓国・朝鮮人を批判する理由は、在日韓国・朝鮮人がネトウヨにとって身近な存在であり、立場が弱く、ネトウヨより優れた才能や富を持ち、うらやましくて仕方がないからです。

一日中ネットで在日韓国人を攻撃する生活保護受給者の例

精神科医・片田珠美氏の著書「自己愛モンスター」には、40代前半の男性患者について次のように紹介しています。

 私の患者にもネトウヨの人がいた。40代前半の男性、Cさんで、生活保護を受給していた。
(中略)
 もっとも、Cさんは強い偏見の持ち主のように見受けられた。仕事もせず一日中ネットに向かい、在日韓国人を攻撃していると話していた。家族とは離れて暮らしており、友人などの人間関係もほとんどなかった。このように孤立していたからこそ、在日韓国人を攻撃することでしか心の平静を保てなかったのではないだろうか。

(片田珠美・著「自己愛モンスター」より)

注目点は片田氏がネトウヨについて「在日韓国人を攻撃することでしか心の平静を保てなかったのではないだろうか」と述べていることです。

つまり、ネトウヨは自身の心を穏やかにさせるために在日韓国・朝鮮人を批判しているのです。

自分が欲しいもの手に入れた身近な人をうらやむ

ではなぜネトウヨが在日韓国・朝鮮人を批判するのかと言えば、他人の不幸を追い求めているからです。

ワイドショーでは芸能人の不祥事といった「他人の不幸」を特集したものばかりですが、私たちが他人の不幸を追い求める理由を、片田氏が別の著書「他人の意見を聞かない人」で次のように紹介しています。

 彼らはなぜ、他人の不幸を求めるのだろうか。
 その最大の要因は羨望である。羨望が強いからこそ、自分が欲しくてたまらないのに手に入れられない容姿や才能に恵まれ、富や名声も易々と手にしているような有名人を見ると歯ぎしりし、逆に、そういう人のスキャンダルには狂喜乱舞する。

(片田珠美・著「他人の意見を聞かない人」より)

そして羨望の対象となるのは身近な人間です

 イタリアの社会学者、フランチェスコ・アルペローニが見抜いているように、「羨望は同一視、称賛から生じる。あまりに遠くの人、あまりに違う人、まったく別のことをしている人を羨望することはありえない。より強烈な羨望は、一人が成功し、他の一人は成功しないというような、仲間のあいだで生じる」(大久保昭男訳『他人をほめる人、けなす人』草思社文庫)からである。

(片田珠美・著「他人の意見を聞かない人」より)

また、先ほど紹介した片田氏の著書「自己愛モンスター」によれば、クレーマーが攻撃対象としているのは自身よりも立場の弱い相手です。

つまり、ネトウヨが在日韓国・朝鮮人を批判する理由は、在日韓国・朝鮮人がネトウヨにとって身近な存在であり、立場が弱く、ネトウヨより優れた才能や富を持ち、うらやましくて仕方がないからです。