燃料電池車が流行できない2つの理由

燃料電池車は、現時点(2014年6月)で一般向けにまだ販売されていませんが、断言します。「燃料電池車は普及しません!」

燃料電池車が普及しない理由は2つ、「高いランニングコスト」と「インフラ不足」です。

ランニングコストはHV・EVより高い

燃料電池車が流行しない大きな理由は、燃料となる水素の値段がガソリンより格段に高いことです。

レスポンス「【トヨタ FCVセダン 発表】」で紹介されていますが、FCCJ(燃料電池実用化推進協議会)、政府は次のように想定しています。

2015年基準から水素1kgあたり80円相場の換算で、走行距離500kmを想定した場合4000円~5000円程度

FCCJと政府の意見を参考にFCV(燃料電池車)・HV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)の「1円あたりの走行距離」を比較すると以下の表の結果になります。

【FCVとHVとEVのランニングコスト】
走行距離 / 燃料費 1円あたりの走行距離
FCV 500km/4500円 111m
HV 30km/160円 188m
EV 6km/23円 261m

(ガソリン価格は1Lあたり160円、電気代は1kWhあたり23円で計算)

「1円あたりの走行距離」が最も悪いのは、残念ながら燃料電池車(FCV)です。つまり、他のエコカーに比べ、ランニングコストは高いのです。

一方、車体価格が安ければ人気がでるのですが、セダン型の価格は700万円程度かかります。「700万円」は完全に高級車の分類であり、流行しない要因となっています。

インフラ整備は最悪

電気自動車があまり普及しなかった原因は「電気を補給できる設備が不足している」ことです。

燃料電池車の場合は最もひどく、ナショナルジオグラフィック「燃料電池特集」で紹介されていますが、現在は実証実験用として全国に14基しか設置されていません。

電気自動車の場合は自宅で充電できましたが、燃料電池車の場合は不可能であり、一般用途には向いていません。

普及するには低価格化がカギ

燃料電池車は走行中に二酸化炭素を排出しない素晴らしい自動車であり、私は素晴らしい技術であると思います。

ただし、車体価格が700万円もしては普及しません。

流行する自動車の特徴は、価格が他の車との差がないことです。よって燃料電池車を流行させるには、ハイブリッド車と同じ価格が望ましいです。