財政破綻後の日本の貧困層の暮らしを予想

すでに破綻した国々の庶民の暮らしを例に、日本の財政破綻後の貧困層の暮らしを予想します。

人々は昭和初期の暮らしへ

最近の財政破綻や倒産事例を見ると、

2001年:アルゼンチンが12兆円の債務不履行(デフォルト)を行う(当時史上最大規模)

2008年:アメリカのリーマン・ブラザーズが64兆円の負債を抱えて倒産(当時史上最大規模)

2015年:日本が1000兆円の債務を抱えて破綻する(予測)

日本でハイパーインフレまたは財政破綻が起きれば、超円安と急激な物価上昇が起こるでしょう。

日本の借金は1000兆円を超えており、財政破綻すれば経済危機はリーマンショックの数十倍の規模となります。

そのため生活困窮者が増加。特に貧困層の暮らしは深刻になり、昭和初期~戦前の暮らしへ追い込まれるでしょう。

そこで、食生活や住宅、治安、インフラなどに分けて、一般の人々の生活を予想していきます。

食生活編

物価上昇に伴い食料を買えない生活困窮者が増加するため、以下のことが起こるでしょう。

  1. 窃盗、強盗事件の頻発
  2. 農家から米・野菜を市場を通さずに直接買う
  3. 食料をお金で買うのではなく、物々交換で手に入れる
  4. カエルやザリガニ、ハトを捕まえて食べる

戦時中、日本人は食料不足に苦しみ、一部の人は木の皮や雑草を食べていました。同様に財政破綻後は、生活困窮者はカエルやザリガニ、ハトなどの生き物でさえ、食べられるものは何でも捕まえて食べるでしょう。

住宅編

失業により住宅を手放す人、家賃が払えず追い出される人が増え、以下のことが起こるでしょう。

  1. ホームレスの増加
  2. 車上生活者の増加
  3. 空き家を不法占拠
  4. テント生活者の増加
  5. ネットカフェ難民の増加

かつて日本には風呂なし、トイレ共同利用、3畳和室のボロアパートが多数ありました。

しかし今はほとんどなく、身寄りのない最貧困層は住む家がないためネットカフェで暮らしています。

一方、朝日新聞「空き家率、過去最高13.5% 820万戸 」によれば、日本には7~8軒に1軒が空き家です。

車もテントなく、ネットカフェを利用するお金もない住宅難民が生きるには、空き家に侵入し不法占拠するしかありません。

インフラ編

超円安に伴うガソリン価格の高騰、生活難から車やバイクを手放す人が増えるため、以下のことが起こるでしょう。

  1. 自転車の利用が増加
  2. 歩行者の増加
  3. 人力車の復活
  4. 停電の頻発

戦前、自動車を持っているのは富裕層でした。移動手段は「歩く」、「自転車」、そして「人力車」です。同様に財政破綻後は、人々は歩いたり自転車に乗ったり、お年寄りは人力車に乗って移動するでしょう。

2001年に破綻したアルゼンチンでは、「売ればカネになる」という理由で電話線が盗まれる事例が発生しています。当然、その地域で電話はできません。

同様に日本で財政破綻が起きれば、電線の盗難により停電が頻発する可能性があります。

治安編

財政破綻後は、生活困窮者の増加、公共サービスの低下により、以下のことが起こるでしょう。

  1. 強盗・窃盗の頻発、治安の悪化
  2. 清掃作業員が減ることで、街にはゴミがあふれる
  3. 消防士の不足による火災被害の拡大

財政破綻により治安は悪化するのは当然ですが、公共サービスも低下します。

イギリスでもギリシャでも、財政破綻時に起こったことは公務員のストライキです。「私たちの給料を上げてくれないと生活できない」という理由で、インフラ事業で働く公務員のストライキが頻発し、電気は停まり、街はゴミであふれました。

日本でも警察官や消防士の不足やストライキにより、治安はさらに悪化していくでしょう。

その他

上記で紹介したこと以外に起こりそうなことを紹介します。

  1. 物々交換の始まり
  2. モノの貸し借りの増加

財政破綻したことにより人々の交流が増え、今までならお店で買っていたものでも人々で交換し合い、つまりお金を介さない取引が増えるでしょう。