スモールハウスより空き家の方が安い

300万円の超小型住宅「スモールハウス」が注目を集めている一方で、価格は中古住宅団地や田舎の空き家の方が安いです。空き家の現状を紹介します。

300万円で建てられる超小型住宅

300万円の超小型住宅「スモールハウス」が注目を集めています。

yadokariスモールハウス
(出典: YADOKARIスモールハウス

100万円の移動式小型住宅「タイニーハウス」で紹介しましたが「タイニーハウス」という名称で同様の超小型住宅がアメリカでも少し流行しました。

スモールハウスは住宅構造を小型化し工場で生産しているため価格を低く設定していますが、一方で、日本の空き家はさらに安くなっています。

団地は120万円、田舎の空き家は15万円から

郊外の住宅団地の価格は、今崩壊しています。

ビジネスジャーナル「100万円台でマンションが買える?すさまじい不動産相場崩壊、住宅はただの粗大ゴミに」によると、首都圏における500万円未満のファミリー向け中古マンション(40平米以上)は、1都3県に少なくとも合計200件以上の物件があり、120万円で購入できる2LDKの物件まで登場しました。

一方、田舎は過疎化が進み、空き家が急増。田舎の中古物件の価値はゼロに近く、所有すれば毎年税金がかかり、かと言って住宅を解体すれば多額の費用がかかるため、極端に安い価格で所有者が手放しています。

私がネットで見た「空き家バンク」に掲載されていた物件は15万円で販売されていました。

日本の人口は2008年をピークに、その後は減り続け、2100年には現在の半分以下に減少することが予想されています。一方、空き家率は上がり続けており、今後も格安の住宅団地や田舎の空き家物件が増えていくでしょう。

新しく建てると住宅以外の費用に300万円かかる

Forbes JAPAN「佐々木俊尚氏が語る『死ぬまで働く時代』の生き方、暮らし方」によると、500万円の中古トレーラーハウスを購入した男性は電気・水道・土地などの住宅以外の費用に300万円かかっています。

下水道に関しては法律で決まっており、田舎であっても勝手に土に流せません。浄化槽などの下水施設が必要です。また、上水道を確保するために井戸を掘る必要もあります。よって、下水道と上水道の工事だけをしても、最低でも数十万円、場合によっては数百万円かかります。

つまり、スモールハウスのように家を小さくしても、新しく家を建てると住宅以外に多額の費用がかかり、格安の中古住宅団地や田舎の空き家には価格面で勝てないのです。