一夫多妻制を導入しても人口が増えない理由
一夫多妻制を実践している国や人の出生率をもとに、日本が一夫多妻制を導入しても人口が増えない理由を紹介します。
3つの問題点
一夫多妻制の問題点は以下の3点です。
- 結婚できる男性は富裕層に限定される
- 浮気とは異なり、妻乗換制度なので出生率は通常と変わらない
- 男女比1対1の日本では効果がない
3点それぞれを解説します。
結婚できる男性は富裕層に限定される
発展途上国の一部で一夫多妻制が導入されている国がありますが、一夫多妻制で結婚できる男性は富裕層に限定されます。
たとえ貧困層の男性が一夫多妻制で複数の妻と結婚したとしても、経済力がないため妻と子どもは死に、人口は増えません。
浮気とは異なり、妻乗換制度なので、出生率は通常と変わらない
一夫多妻制は浮気と異なります。浮気では同じ時期に複数の女性と肉体関係を持ちますが、一夫多妻制では車のように数年ごとに妻を乗り換えるため、同じ女性とは永遠に肉体関係を持ちません。
一例として、一夫多妻制でギネス記録に輝いたケニア人男性は、妻120人と結婚し子ども210人をもうけました。つまり、合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの数)で見ると1.75です。
一方、ケニアの出生率が4.5(2012年)なので、出生率で見れば一夫多妻制の出生率が非常に少ないことがわかります。
もう一つの例として、格闘家・タレントで活躍する元ナイジェリア人のボビー・オロゴンさんは34人兄弟の3番目です。父親は貿易会社社長の富裕層であり、6人の妻がいます。
つまり、ボビー家の合計特殊出生率は5.7であり、ナイジェリアの出生率が6.0(2012年)なので、やはり一夫多妻制の出生率は通常のものとあまり変わらないことがわかります。
男女比1対1の日本では効果がない
先ほど「結婚できる男性は富裕層に限定される」「出生率は通常と変わらない」と2つの問題点を紹介しましたが、2つの問題点があったとしても、女性の数が男性に比べて非常に多ければ、一夫多妻制の効果があります。
しかし、日本では男女比がほぼ1.0対1.0です。よって、日本が一夫多妻制を導入しても結婚できない男性が余るだけです。