若者の酒離れは低収入が原因だった

お酒を飲む人の割合は収入に比例して上がります。近年の若者の酒離れは「低収入」が原因です。

高所得者層の飲酒量は変わらない

リテラ『「酒離れ」の本当の原因は貧困にあった!』で詳しく紹介されていますが、国民健康・栄養調査のデータによると、週3日以上、1日につき日本酒換算で1合以上飲む20代男性の割合は、1995年時点では34.9%いる一方で、2010年には14.7%まで低下しました。

さらに、全年齢層を調査した結果を見ても、1995年の54.4%から2010年の35.4%まで減っています。また、酒を全く飲まない人の比率(非飲酒率)は、2000年に8.6%だったのが、2010年になると16.4%まで上昇しました。

しかし、これを収入別で見ると、年収が低ければ低いほど非飲酒率の上昇は激しくなりますが、年収650万円以上の人の非飲酒率はほとんど変化していません。

全国消費実態調査が出した2009年のデータを見ると、低所得者層が飲んでいるお酒は焼酎と酎ハイなのに対し、中間層へと上がるにつれだんだんと発泡酒の割合が増えていき、年収600万円を境にビールへと切り替わります。

ウイスキーやワインも低所得者層ではほとんど消費されない一方で、高所得者層が消費しています。

つまり、お酒を飲む人の割合は収入に比例して上がり、「酒離れ」の本当の理由は低収入が原因だとわかります。

若者の貧困化により酒離れは今後も続く

日本は世代間格差が深刻であり、税と社会保障の世代間格差は、高齢者と若者では数千万円の差が生じています。
税の世代間格差
(出典:社会実情データ図鑑「図録▽社会保障制度の給付と負担の世代別格差」)

今の若者は一生懸命働いても収入が少なく、その上に重い税負担や奨学金の返済がのしかかっています。

社会保障制度の大きな改正がない限り、今後も若者の貧困化は止められず、酒離れは加速していくでしょう。