心理学者が分析するアイドルになりたい人の心理

心理学者の小倉千加子氏の分析によれば「女性は他人の視線の数で自己の存在を確認する生き物」です。アイドルになって他人の視線の数を増やす行為は自分を守ってくれる存在を増やすことにつながり、子孫繁栄の観点から見ればアイドルになりたいのは合理的な欲求です。

月収は0~7万円

アイドルに詳しいプロインタビュアーの吉田豪氏によるとアイドルの月収0~7万円であり、相当売れないと月収10万円は超えません。

元アイドルやジャーナリストも吉田氏と同様の発言をしており、アイドルの給料は一般的に少ないです。さらにこの低賃金に加えて長時間労働、セクハラ、ストーカー、誹謗中傷といった精神的苦痛や肉体的苦痛を味わうことになります。

にもかかわらずアイドルになりたい女性はたくさんいますが、なぜでしょうか?

女性は他人の視線の数で自己の存在を確認する

精神科医の片田珠美氏の著書「他人の不幸を願う人」には心理学者の小倉千加子氏のアイドル論が紹介されています。

『増補版 松田聖子論』(朝日文庫)で(中略)小倉氏が見抜いているように、「女性という生き物が他人の視線の数で自己の存在を確認する生き物」(同書)だからだ。

(出典:片田珠美・著「他人の不幸を願う人」)

自分を認めてくれる存在は、同時に自分を守ってくれる存在でもあり、生きていく上で重要な役割を果たします。

他人の視線の数=自分を認めてくれる存在=自分を守ってくれる存在、が多ければ多いほど女性は子孫をたくさん守り育てることができ、男性は権力を持って支配者となり子孫をたくさん残せるので、他人の視線の数を増やす行為は子孫繁栄の観点から見れば男女ともに合理的な行動です。

アイドルに限らず、芸人や歌手、アナウンサー、スポーツ選手、政治家といった目立つことでお金を稼ぐ仕事はたくさんありますが、「目立ちたい」という欲求は「他人の視線を集めたい」ということであり、子孫繁栄の観点から見ればやはり合理的な欲求ですね。