人口が少ない国ほど幸福度が高い

人口が少ない国や人口密度が低い国ほど国民の幸福度が高いことがわかりました。人口と幸福度の関係を紹介します。

幸福度ランキングトップ10と人の数

国連が158カ国の幸福度を調査した、2015年度版の幸福度報告書が発表されました。この報告書をもとに2012年~2014年度の国別幸福度と人口の関係を探ります。

下の表は、幸福度ランキングと人口の関係を示したものです。

【国別幸福度ランキングと人口】
幸福度ランキング
(2012~2014年度)
国名 人口
(2014年度)
1位 スイス 814万人
2位 アイスランド 33万人
3位 デンマーク 563万人
4位 ノルウェー 516万人
5位 カナダ 3549 万人
6位 フィンランド 548万人
7位 オランダ 1686万人
8位 スウェーデン 975万人
9位 ニュージーランド 452万人
10位 オーストラリア 2359万人
46位 日本 1億2706万人

上の表から、幸福度が高い国は人口1,000万人未満の国が多いことがわかります。

オーストラリアとカナダは人口2,000万人を超えていますが、両国とも2014年度の世界人口密度ランキングでワースト10に入っており、人口密度が非常に低いことが特徴です。

上の表とは反対に、人口ランキング別の幸福度ランキングを調べ、下の表にまとめます。

【国別人口ランキングと幸福度ランキング】
人口ランキング
(2014年度)
国名 幸福度ランキング
(2012~2014年度)
1位(14億人) 中国 84位
2位(13億人) インド 117位
3位(3億人) アメリカ 15位
4位(3億人) インドネシア 74位
5位(2億人) ブラジル 16位
6位(2億人) パキスタン 81位
7位(2億人) ナイジェリア 144位
8位(2億人) バングラデシュ 109位
9位(1億人) ロシア 64位
10位(1億人) 日本 46位

上の表から、人口が多い国は幸福度が低いことがわかります。

アメリカとブラジルは幸福度が高いですが、2014年度の世界人口密度ランキングでアメリカは139位、ブラジルは147位と、非常に低いです。つまり、幸福度が高い国は人口密度が非常に低いことが特徴です。

ブータンは79位、完璧な幸福度調査ではない

国連の幸福度調査は、国民1人あたりの実質GDP、健康寿命、社会的支援、人生選択の自由度、汚職レベルの低さ、寛容度を変数として幸福度を割り出したものです。

幸福の国として知られるブータンのように、国民の95パーセントが幸福と感じていても、国連の幸福度調査では79位です。

ブータンのようにGDPや社会保障、寿命が低い国ではランキングが低くなるため、国連の幸福度報告書は先進国や準先進国だけが参考になる調査報告書かもしれません。

しかし、ブータンの人口は70万人で、国土は九州ほどの広さがあます。よって、「人口が少ない国ほど、また人口密度が低い国ほど幸福度が高い」という法則には当てはまります。

人口減少中の国は経済成長しない、真の対策は地方分権

人口が少なければ、また人口密度が低ければ幸福度が上がるなら、日本は人口減少した方が良いと考えてしまいますが、実際は逆です。

人口が減少すると国家は破綻するで紹介しましたが、人口が減少して発展した国は今まで存在しません。歴史を見れば、人口が減少すると経済が悪化し、国が崩壊または破綻した例も多数存在します。

よって、人口減少では幸福にはなれません。

そこで経済を悪化させずに人口を減らす方法は、現在の中央集権国家をやめ、日本をいくつかに州に分割してそれぞれに国家並みの大きな権限と予算を与えることです。この方法は道州制に代表される、地方分権のことです。

1億2000万人の人口が、道州制によって1州あたり数千万人に減りますが、全体的に見れば日本の人口は減っていません。人口密度も全体的に見れば変わらないため適策だと私は考えます。